初めて知ったおおまさりの味に魅了されて

千葉県の知り合いの人から、宅急便が届きました。開けてみると、白いビニール袋の上に紙が乗っていて、「近所の無人販売所でおおまさりが大量に売っていたので、まとめ買いしました。一人では食べきれないので送ります」とのこと。
(おおまさりって何?)とまず頭に疑問が浮かびました。ビニール袋を開くと、中に入っていたのは何の事はない、落花生です。ただ、ひとつずつが異常に大きい。
ネットで調べてみると、「千葉県で研究開発された新品種」で、塩ゆでして食べるのが一番美味しい、とあります。ピーナッツはもちろん食べたことがありますが、落花生を食べた記憶はアイマイ。ましてや聞いたこともないおおまさりなど、どういう味なのかも分かりません。こんなものもらっても、とありがた迷惑的な気持ちになりましたが、ただ塩ゆですればいいのなら調理ははなはだ簡単です。さっそく大きな鍋を用意しました。

ネットでの説明の通り、おおまさりと、それが全部浸るほどの水を入れ、大さじ4の塩を加えて火にかけます。沸騰したら火を弱めて、そのまま40分。それから火を止めて湯が冷えてゆくのを待ちます。この間に塩が殻を通して豆に染み込んでゆくとのこと。半時間ほどすると十分冷めたので、ザルに上げました。試しに手に取ると、殻はすっかり柔らかくなっています。ただ、縦につぶれた一口饅頭のような感じで、まるで美味しそうではありません。
こんなもの、口にあうんだろうか、と思いながら、爪の先で弾力を持った殻を破り、その裂け目から指を入れて真っ二つに割りました。中に二つ、ビックリするほど大きな豆がすっぽりと収まっています。形は不格好で、市販されているピーナッツとはまるで違います。まるで芋虫の出来損ないだな、と思いながらその豆を殻から取り出して、期待せずに口に入れました。

と、舌に触れた瞬間に塩に混じって何とも言えない旨味が染み出して、その刺激でつばが湧き出してくるのが自分でも分かります。
おおっ、と思わず小さく心で叫んで、その塊を噛み締めました。旨味はさらに強くなって、口蓋に広がります。飲み込んだ後、指は知らないうちにもう片方の豆をつまんで、口に入れていました……。

世の中、知らないで損をしていたことがあるものです。その名前を聞くのも初めての豆は、四十歳の私をすっかり魅了してしまいました。送られてきたおおまさりは瞬く間に食べ尽くしてしまい、近所のスーパーで生の落花生を買って茹でて食べましたが、やはり味が違います。
その知り合いにまたおおまさりを送ってもらおうか、悩んでいるこの頃です。
259091s

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